浮き島奇譚
戦国時代。
時空を漂う里・浮き島に住む、人ならぬ一族の物語。
- 隠れ里
-
五年前、崖から落ち、行方知れずになった少年・伊助。
伊助の幼馴染み・アサは、五年前のままの姿の彼に出会った。 - 浮き島童子
-
アサは胡蝶と名を改め、浮き島の住人となる。
そこは、角のない鬼たちの一族が住まう、異空間の隠れ里だった。 - 龍神の末裔
-
浮き島に異常な長雨が続く。
地上の影響だと考えた里長・駿は、八尋たちに調査を命じた。 - 卯の花の咲く頃
-
祭司・緋翔とその妻・卯木の出逢いは、卯の花の咲く頃だった。
胡蝶は緋翔に浮き島についての話を聞く。 - 綿津見の娘
-
外界への出入り口が海に繋がった。
不可解な死者が出る海辺の村で、一人の娘が八尋に近づく。 - 織り姫幻想
-
浮き島に持ち込まれた、天女が描かれた掛け軸。
その翌日に、胡蝶が消えた。 - 山笑ふ頃
- 身寄りのない孤独な娘・佐保は、青い髪の青年に誘われ、不思議な里へ嫁入ることを決める。
- 宵行
- ある宵。蛍を見に、胡蝶は八尋を誘う。
- 金銀妖瞳
-
浮き島の山中に瀕死の猫又が倒れていた。
少年の姿に変化した猫又は、人間に捕らえられた双子の姉を助けたいという。 - 紅葉舞ふ頃
-
降りかかる紅葉にとけこみそうな真朱の鳥たちに妖力を与える緋翔。
卯木は緋翔に福音をささやく。 - 憧憬
-
傭兵志望の少年・甲斐と碓氷が胡蝶を訪ねる。
歓迎する胡蝶だが─ - 人面瘡
- 定期市で毒薬を探す少女・小梅は、地上へおもむいた浮き島の少年・碓氷と出会う。